アウトドアビジネス特化公認会計士、独立開業6ヶ月の軌跡

皆様、本年大変お世話になりましたことをお礼申し上げます。

弊社、株式会社SOTO CFOは2021年4月に設立し、現在まで9ヶ月経過しました。
私自身は、2021年6月をもって会社勤めを終了し、2021年7月より弊社の代表として事業を開始し、現在まで6ヶ月経過しました。

独立開業して6ヶ月経ち、年も変わるタイミングですので、これまでの振り返りをし、今後の方向性について考えております。
これまでの活動や今考えていることについて本記事にて報告いたします。

(1)本記事の趣旨

本記事をお伝えするのは、以下の理由・趣旨があります。

a)応援されたい

独立して強く思うことのうちの1つとして、「応援される人は強い」ということです。

私はこれまで中小・ベンチャー企業に携わることが多かったのですが(監査法人として&コンサルとして&CFOとして)、起業家・事業家の方々は自分の夢を実現させるために周りに影響力を与え巻き込んでいると感じます。一人の力で大きなことを成し遂げるのは難しいでしょう。周りから応援されることで事業を加速させている印象があります。これは起業家に限らず、世の中で成功されている方の一定数がこれにあてはまると感じます。

これまで会社員として会社のブランドで生きてきた自分にとって、独立というのは自分のブランドで生きていく初めての経験です。
自分が成長し世の中にインパクトを与えていくためには、自分が周りから応援してもらえることが重要と感じます。

自分が周りから応援頂くために重要なことは何か。

その一つは、お互いを知り、お互いを思いやり、お互いにプラスの作用をすることで、信頼関係を構築することだと考えます。

そのための最初のステップとして、自分を知って頂いて、「応援したい」と少しでも思ってもらいたいです。

b)応援したい

人から応援されるためにも、自分が人を応援することは重要である、と強く思っています。

私自身まだ独立開業して6ヶ月であり、始まったばかりで、大きな成功や失敗やおもしろいネタみたいな話は少ないですが、この記事をお伝えすることで、公認会計士の方や、財務やCFOに携わっている方や、独立開業の可能性を考えている方、その他の方に、プラスになれば幸いです。

キャリアを考えるすべての方の参考になればと思い、書いています。

 

(2)独立までの準備期間

まず、独立開業する前の準備期間について。

どのような思いをもち、準備したか、について書きます。

①志師塾の門を叩く


独立開業を意識するようになって、まず「志師塾」という、先生業に特化したビジネススクールに通いました。先生ビジネスを成功させるノウハウ・知識をレクチャーすることに加え、 人脈・志・可能性を磨く塾です。

志師塾に入った背景を振り返ります。

独立開業は初めてのことで、どういうマインドで、何を、どう進めていいのか、という感覚を持っていませんでした。顧客にサービスを提供する腕、つまり顧客満足力は自信があったのですが、顧客を獲得する集客力については、自信がありませんでした。

とはいえ、食べていくことはできるだろうと思っていました。公認会計士という資格は恵まれていて、独立して食べていけなくなったという話は私の周りではあまり聞きません(本当に感謝です)。自分も仕事を選ばなければ一定程度の稼ぎはできるだろうとは思っていました(大金を稼ぎたいという願望はもともと無いので)。

食べてはいけると思う一方で、「やるなら普通の公認会計士とは違う、トガッた存在になりたい」という気持ちを持っていました。

そんな中で、志師塾は、
「専門家は”職人気質”になってしまいがち。」
「腕(専門知識)があれば、顧客は増える」とは限らない。“腕”と“ビジネスの成功”は、必ずしも比例するわけではない」
と説き、専門家ビジネスが成功する方法を研究し、
かつノウハウだけでなく、名前にあるように、「志」の重要性を説き、また仲間を大事にして切磋琢磨することで成果を加速させるというスタイルです。

家も車も買ったことが無かった自分にとっては人生最大の買い物となる講座を申し込んだのでした。
意思決定が比較的慎重な(特にお金がからむと)自分にしては、即決でした。
自分のキャリアに対する想いと志師塾のポリシーがビビッとマッチしたのだと思います。

②志師塾で学んだこと


志師塾では、約2ヶ月間の講座で、自分が独立して歩んでいく礎の多くを学びました。

志師塾のみなさん、一緒に学んだ同期のみなさん、ありがとうございました。

a)コンセプト

「誰に、何を、どのように」サービスを提供するか。

なぜ、お客様は、あなたから商品サービスを買うのか?

あなたの選ばれる理由は?


志師塾に入る前に考えていた独立後の仕事としては、
公認会計士・ベンチャーCFOとしての知識・経験をもとに中小・ベンチャー企業の財務を支援する。
「公認会計士」×「CFO」とイメージしていました。

ポジショニングを考える中で至った考えは、「公認会計士」×「CFO」では弱いということ。

公認会計士は日本に4万人いるし、CFO経験者も世の中にごまんといると考えられます。

「たくさんいる中の1人では自分は満足しない、トガッた存在になりたい」と考える私は、「公認会計士」「CFO」に加えたもう一つの軸を思案しました。

そこで到達したのが、「アウトドアビジネスに特化」です。

私のキャリアを振り返るに、コンサルティング会社から事業会社へ転じてCFOを目指す際に、自分が最大限熱中できる事業内容を希望し、スノーボードが好きなことからスキー場運営会社を選びました。その後2社目の事業会社も同様に、宿泊事業&キャンプ場運営会社を選びました。

今後独立開業した後も、アウトドアレジャーに貢献したい想いは強く持っていました。

そこで、勇気をもってアウトドアビジネスに「特化」することに決め、3つめの軸として「アウトドアビジネス特化」を決めたのでした。

ポジショニング:「公認会計士」×「CFO」×「アウトドアビジネス特化」

 

b)肩書・キャッチコピー・プロフィール・1分自己紹介

自分の価値を伝えるのは難しいです。

例えば異業種交流会なんかで名刺交換しても、後日「この人どんな人だっけ?」と印象に残っていないことは多いですね。

自分の価値を、
・3秒で
・10秒で
・1分で
それぞれ、相手の印象に残るように伝えることが大切です。

「肩書」を13字以内
「キャッチコピー」を25字以内
「プロフィール」を300字ver・500字ver・700字verそれぞれ
作りこみをしました。

肩書「そとCFO公認会計士」
…「そと」というのは、社外CFOの、会社の「そと」であり、かつ、アウトドアビジネスつまり「そとビジネス」の「そと」のことです。

なお、「そとCFO」は商標登録いたしました(第6456689号)。

キャッチコピー「日本で唯一のアウトドアビジネスに特化した社外CFO」
…今のところ、日本で唯一だと思われます。自称。


プロフィール
300字ver・500字ver・700字verそれぞれ作りこみました。

1分間自己紹介
作りこみ→講座で披露→フィードバック→ブラッシュアップ を繰り返し作り上げました。

c)集客ノウハウ

その他に講座では、

・リーフレット・プレゼン資料のつくり方
・HPのつくり方
・セミナーの構築方法

等を教わり、実際に試しにやってみるということを学びました。

d)志・マインド

志師塾では、知識やノウハウを多く学び、今の自分のビジネスに活かされているのは間違いないですが、それとともに大きなのが、志やマインドを重要視する考え方でした。
塾名に「志」とついているくらいですので。
「人生の目的は何なのか、自分は何を目指して行くのか」を強く問いかけられました。

上述した「アウトドアビジネスに特化」することにしたのも、この志を自らに問うた時に、「豊かな自然の中での非日常体験が人生を豊かにする」、「日本のアウトドアレジャーに貢献したい」という答えが出たからこそだったと振り返ります。

この、「人生の目的は何なのか、自分は何を目指して行くのか」への答えは、その後、会社を創業した際に掲げたミッション・ビジョンにそのまま繋がっています。

株式会社SOTO CFOのミッション
日本のアウトドアレジャーを元気にし、心豊かな生活の創造に貢献する

株式会社SOTO CFOのビジョン
そとビジネスをそとから支える財務プロフェッショナルになる

 

e)仲間

志師塾は先生業を行う多くの同期と一緒に講義を受け、課題に取り組み、意見交換を行いました。コンセプトを考えるにあたって自己棚卸を行いましたがその内容をシェアしたり、忌憚ない意見交換をしたり、悩みを共有したり、同志として切磋琢磨できる存在です(今でも、これからも)。

 

(3)法人設立と開業準備

2021年4月頃からは、本格的に開業準備をスタートしました。

a)会社設立

まず2021年4月9日付で会社を設立しました。
定款作成したり登記したり。設立後税務署等に申請、といった事務手続です。
このあたりは職種柄勘所はある方ですが、自分でやるのは初めてで新鮮な気持ちでした。

ちなみに、4月9日を選んだのは、
・大安
・予祝(よしゅく)の日…予祝とは、未来の姿を先に喜び、祝ってしまうことで現実を引き寄せること
という理由です。

自分の会社となると、こだわってしまいますね。

会社名は「株式会社SOTO CFO」にしました。
「なんとかコンサルティング」のような会社名にする案も考えましたが、アウトドアビジネスに特化することを改めて強く心に刻み、肩書「そとCFO」と同じにしました。体裁を考えてアルファベットで「SOTO CFO」。

b)PC・メール

PCを購入し、サーバーを契約し、メールアドレスを設定しました。

c)オフィス契約

現在自宅から徒歩10分ほどの駅前でオフィスを賃借して本店所在地兼事務所にしています。
自宅を事務所にする選択肢もありますが、私は家では集中できにくいのでオフィスで仕事しています。

d)ロゴ作成

会社のロゴは、プロのデザイナーさんに依頼しました。結構安価で。

上述したようなコンセプトや想いを詳細にお伝えし、
そのうえでデザイナーさんにロゴ案を3つ作成してもらい、
その中から私が1つ選んで確定しました。

 

アルファベットの「S」「O」「T」「O」がロゴ内に組み込まれているデザインが、オシャレだと思います。さすがプロは素晴らしいものを作ってくださる。
偶然にも、私の出生地である富山県のロゴとテイストが少し似ている点も、うれしく思います。

 

富山県のシンボルでもある立山をモチーフに、その中央にとやまのイニシャル「と」を配しています。大空に向かって躍進する富山県をイメージしています。
(出典:富山県ホームページ)

 

e)名刺作成

記載内容・構成は自分で練りました。志師塾で習ったことを応用させながら。
その上で、デザインはロゴと同じデザイナーさんにデザインしてもらいました。

f)ホームページ作成

志師塾の講座でもホームページ作成の基本的な話は習いましたが、実際に作成する際にはわからないことだらけで試行錯誤でした。

私は、志師塾からWordPressホームページのテンプレートを購入し、それを使用してホームページを作成しました。
アップしたい内容をテンプレートに埋め込んでいくことで、詳しい方に教えてもらいながら進めることで、WEBに疎い自分でもできました。

なお、先生業のホームページで重要なのはデザイン性よりも中身であり、上述したような「顧客に価値を伝える」ことが重要である、というのも志師塾で学んだことです。私もホームページを作成する前のコンテンツのつくり込みに時間をかけました。

「ホームページ、自分で作ったとは思えないクオリティですね」とお褒めの言葉を頂くことがあります、ありがとうございます。

今の時代はSNSの役割が大きくなっているものの、依然として特に先生業においては信頼性の向上のためにはホームページの重要性は高いと思われます。素人の私でもできましたので、これから独立開業される方は是非苦手意識を持たずにチャレンジされることをおすすめします。

g)商標登録申請

「そとCFO」について、商標申請し、登録されました(第6456689号)。

h)営業活動

開業準備期間に、顧客獲得のための営業活動を進めていました。

1つに、人脈づくりです。
仕事を受注するルートは、ご紹介が相当程度多いと考えます。
人脈を濃くする&広くすることが重要と感じています。
既存の人脈としては、公認会計士の友人や事業会社時代の同僚・協業者との人的関係は大きな財産ですし、学生時代の友人も各方面で活躍されていて、縁が繋がったりします。
独立開業の挨拶をし、認知してもらい、過去の人脈の掘り起こしを行いました。現在も継続して行っています。

もう1つが、ブログ記事ストックです。
自らの情報発信が重要になると考え、開業後にブログを更新していこうと思い、準備期間中に記事を書き溜めていました。

 

(4)独立開業後現在まで

2021年7月より、株式会社SOTO CFOの営業をスタートさせました。

営業スタート時には仕事を頂ける当ては何もなかったので、ゼロから受注活動を行っています。

現在、私の仕事の割合の相当程度を占めるのが、事業再構築補助金申請支援です。
新型コロナウィルスの影響を受けた中小企業向けの大型の補助金です。

事業再構築補助金を活用してキャンプ場・グランピングを新規展開することを検討される事業者向けにセミナーこちらご参照)を行う等によりお役に立てる情報を提供し、その後ご支援の契約を頂いた会社もあります。

事業再構築補助金補助金申請支援のほかは、株価算定や、スキー場経営コンサルティングなど、スポットの案件に対応しております。

仕事を受注するために営業活動に注力しています。
人脈づくりについては、最近感染症の状況が改善してきたので、対面で人に会うことがしやすくなってきました。過去の人脈の掘り起こしを積極的に行っています。

また、情報発信にも力を入れています。
ホームページにおいて、月に3本ずつくらいのペースでブログを更新しています。
内容は、CFOのことや、アウトドアのことなど。
質の高い情報をお届けしようと意識して、記事作成に時間がかかってしまっています。今は時間がとれやすいですが、今後は少ない時間で質の高い記事をアップできるようになることが課題と感じます。

個人としての情報発信も、試行錯誤しながらやっています。

【facebook】
https://ja-jp.facebook.com/isao.murase.9
プライベートな話題を上げたりしています。

【twitter】
https://twitter.com/SOTOCFO_CPA/
独立開業後始めました。使いこなせていない感あり。気軽に短い言葉で発信するのが下手と自覚しています。

【Instagram】
https://www.instagram.com/sotocfo_cpa/
独立開業後始めました。インスタはプライベートでアウトドアを楽しむ様子を発信していく予定です。キャンプとかスノーボードとか。

 

(5)今後の展望は年明けに


以上、独立開業6ヶ月の現在までの軌跡について書きました。

今の弊社及び私があるのは、ひとえに応援してくださる皆様のおかげです。まことにありがとうございます。

年明けは、今後の展望、及び2022年の抱負について記事を書きます。

皆様、よい年をお迎えくださいませ。

そとCFO公認会計士 村瀬功

そとCFO公認会計士 村瀬功

日本で唯一のアウトドアビジネスに特化した社外CFO

1980年富山県生まれ、広島県育ち。東京大学経済学部卒。公認会計士・気象予報士。経営革新等支援機関。
社内にCFOが居ない中小・ベンチャー企業に対して社外の立場からCFO機能を担う、日本で唯一のアウトドアビジネス専門の社外CFO。
「豊かな自然の中での非日常体験は人生を豊かにする」と価値を信じ、アウトドアビジネスの健全な発展に寄与することが自らの使命と感じている。

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