コロナ禍のキャンピングカー販売・レンタル市場とアウトドア業界連携

2021年の国内キャンピングカー販売合計額は、新車・中古車を合計して過去最高の635.4億円(対前年比109%)となりました(一般社団法人日本RV協会が発表した「キャンピングカー白書」の2022年版速報レポート)。
キャンピングカーの販売総額は直近10年間で約3倍になり、市場規模は急激に拡大、累積保有台数も増加し続け136,000台に達しています。

(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書」速報版2022)

コロナ禍においては、移動の自粛、テレワークの推奨など、人の流れの変化が起き、生活様式が大きく変化しています。
消費についても外出型の消費は減少し、巣ごもり消費の増加が見られています。都心へのアクセスを重視した「職住接近」といったこれまでの考え方から、広い住居や部屋等を備えた郊外に住むことが好まれることも、都市圏を離れて地方に移住する人も増えています。

このようにコロナ禍においてキャンピングカーは、従来に増してその有用性の認識が広まっています。

本記事では、

「キャンピングカー白書2021」(一般社団法人日本RV協会)
「レンタルキャンピングカー白書2020」(レンタルキャンピングカーネット)
「オートキャンプ白書2021」(一般社団法人オートキャンプ協会)

からキャンピングカー市場について分析するとともに、キャンピングカー業界とアウトドアビジネス業界との連携について提言します。

(1)コロナ禍で注目を集めるキャンピングカー

 

キャンピングカー事業者への質問回答によると、2020年4月から5月における第1回緊急事態宣言が解除された解除されて以降、販売・受注が急激に増加しました(グラフ①)。

2020年の第1回緊急事態宣言が解除された後の各社の販売実績について、販売・受注が増えたと答えた企業は、緊急事態宣言中と比べて28.9ポイント増えて46.7%になりました。
販売・受注が減ったと答えた企業は、緊急事態宣言中と比べて28.9ポイント減って10.3%でした。

緊急事態宣言の解除以降、キャンピングカーの有用性が多くの人に認知されてきていると言えます。

【グラフ①】緊急事態宣言解除後(2020年6月以降)の販売への影響
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

キャンピングカーの用途としては、ユーザーへの質問回答によると「趣味の宿泊施設として」「リタイヤ後の余暇利用」「ペットとの旅」という回答が多く、キャンピングカーは趣味用途として活用されています(グラフ②)。

「災害時に備える」という回答も約40%あります。
キャンピングカーは、寝泊まりができ、電源も備えていることから、非常時のシェルターとして活用することが可能です。近年は防災意識の向上が進み、キャンピングカーを防災グッズとしての注目も増えていると感じます。

「ビジネスでの利用」は約5%にとどまっていますが、今後はリモートワークの広がりによりビジネスでの利用も増えると考えられます。

【グラフ②】キャンピングカーの活用の方法
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

新型コロナウィルス感染症の広がりに伴って、利用方法に変化が現れています。
例年、キャンピングカーの利用目的で最も多いのがレジャー利用です。
その他の利用方法として、リモートワーク、ワーケーション、災害対策、隔離部屋といった新しい利用方法についての問い合わせがあったかについて質問したところ、52.3%の半数以上の企業が新しい利用方法に関する問い合わせがあったと答えました(グラフ③)。

色々な用途で使えるキャンピングカーの多様性が認知され、多くの人がその効果に期待しているようです。

【グラフ③】新しい利用を目的とした販売や問い合わせ
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

キャンピングカーの利用頻度についても変化が見られます。
キャンピングカーオーナーの年間利用回数を調査した結果は、前回調査と同様に6~10回が最も多い比率でした。一方で21回以上利用している人が2.5ポイント上昇して14.2%に増加しています。また、日常の生活に利用している人も2.1ポイント増えて21.6%という結果でした(グラフ④)。

2020年はテレワークや密を避ける移動手段が注目され、キャンピングカーの利用頻度が向上したと考えられます。日々の生活に利用している人も増加傾向にあることから、キャンピングカーが日常生活に浸透しつつあると言えるかもしれません。

【グラフ④】キャンピングカーの年間利用回数
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

 

(2)拡大するキャンピングカー市場

2020年のキャンピングカー保有台数は127,400台となり、対前年比106.7%の増加となりました(グラフ⑤)。
キャンピングカー白書2022速報によると、2021年における保有台数は136,000台に達しました。

【グラフ⑤】キャンピングカー保有台数
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

2020年のキャンピングカー販売総額は582億円となり市場は拡大しました。
国内のキャンピングカー生産台数は順調に増え、2020年の生産台数は7,434台でした(グラフ⑥)。

同じく2020年の販売総額については582億2,389万円でした。2017年から424億円、458億円、526億円、582億円と継続して増加しています(グラフ⑦)。

キャンピングカー白書2022速報によると、2021年における販売総額は635億円に達しました(グラフ⑧)。

【グラフ⑥】キャンピングカー出荷台数 (出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

【グラフ⑦】キャンピングカー総売上金額推移 1/2
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

【グラフ⑧】キャンピングカー総売上金額推移 2/2
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書」速報版2022)

次に、キャンピングカーメーカーにおける設備投資について質問した結果は、「近い将来に施設投資する予定がある」「最近施設投資をしたばかりである」合わせて約50%を占めます(グラフ⑨)。
また、「当面施設投資をしない」と回答した43.9%の中には、2019年においてある程度の設備投資を行った企業も一定数含まれると予想されます。

積極的に施設投資を行うキャンピングカーメーカーの姿勢が伺えます。

【グラフ⑨】設備投資について
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

さらにキャンピングカー産業の将来についても調査結果では、56.1%の企業が「将来はもっと成長する」と答えました(グラフ⑩)。
昨年に比べて15.3ポイント上昇していて、大幅に期待値が上がっています。
これまでは横ばいと答える企業も多く、2019年は49.5%がそう答えていました。しかし2020年に横ばいと答えた比率は35.5%であり、14ポイントも減少しています。

これまで頭打ちと考えていた企業も、何らかの可能性を見出し将来性に期待している様子がわかります。

【グラフ⑩】キャンピングカー業界の今後について
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

 

(3)気になる価格は?

 

このように、近年キャンピングカーの需要は継続的に拡大し、キャンピングカー業界の見通しも向上しています。
コロナ禍が追い風になり今後も需要が拡大する可能性も考えられます。
一方で消費者として気になるのはその「価格」ではないでしょうか。
キャンピングカーは「高級品」でありなかなか手が出ないイメージがありますが、実際はどんな価格のキャンピングカーが売れているのでしょうか。

キャンピングカーオーナーに購入金額を聞いた結果は、最も多かった価格帯は400~500万円、次に多かったのが、600~700万円台であり、このボリュームゾーンで全体の5割以上を占めています(グラフ⑪)。

【グラフ⑪】オプション・諸経費含むキャンピングカーの購入金額
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

次に、キャンピングカーオーナーの世帯年収の調査結果は、1,000万円台と400万円未満が比較的多いという結果でした(グラフ⑫)。
国民の世帯所得の分布は400万円未満が45.4%を占めている(厚生労働省2019年国民生活基礎調査)ことと比較すると、世帯年収が多い消費者がキャンピングカーを購入していることがわかります。

また、1,000万円以上の世帯が前回調査と比べて3.5ポイント上昇しており、富裕層の中でキャンピングカーの人気が高まっていることがわかります。
それにともなって、キャンピングカーに求められるクオリティも高くならざるを得なくなってきているのかもしれません。

【グラフ⑫】世帯収入(キャンピングカーオーナーと全国民の比較)
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」、厚生労働省「2019年国民生活基礎調査」)

年齢層については、60歳代が近年減少傾向にありながらもその比率は高く、キャンピングカーユーザーの中心年齢層は50~60歳代となっています(グラフ⑬)。

30歳代以下のユーザーは継続して少ない結果となっています。
しかし、これはあくまでも一般社団法人日本RV協会の「くるま旅クラブ」会員を対象にしたアンケート結果です。低価格モデルやキャンパー仕様、若い世代向けのデザインも増えており、「くるま旅クラブ」未加入であり数字に現れない若者もキャンピングカーへの関心を増しているのではないかと考えられます。

【グラフ⑬】現在キャンピングカーを使っている方の年齢
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

来店する客層年齢に若干の変化が現れています。
キャンピングカーを扱う会社に来店する客層を調査したところ、50歳代が最も多いという結果でした。次に多いのが60歳代以上の27.0%ですが、前年よりも3.3ポイント下げています。一方で30歳代から50歳代で前年比増加しており、全体的に若い顧客が増えたと感じていることがわかります(グラフ⑭)。

【グラフ⑭】来店する顧客の年齢層
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

 

(4)キャンピングカー“レンタル”という選択肢

このように、キャンピングカーは400~700万円台の価格帯のものが多く、相当程度の「高級品」であることから、購入者は世帯所得の高い消費者が多くなる傾向があります。その結果、ユーザーの中心年齢層は50~60歳代となっています。

比較的可処分所得が比較的低い若者にとっては、依然として手が届きにくい存在と感じられるのではないでしょうか。

そこで、キャンピングカーを購入するのではなく、レンタルするという選択肢を考えてみます。
キャンピングカーのレンタルについて、レンタルキャンピングカー白書2020の調査結果を見てみましょう。

①需要面 ~レンタル金額~

 

初めに利用料金額について。
キャンピングカーのレンタルにあたり、オプションを含む1組当たりの平均利用金額は、3万円~7万円がおよそ7割を占める結果となりました(グラフ⑮)。
主な利用人数が2~4人、主な利用期間が1泊2日~2泊3日であることから、1人1泊あたり1万円前後という計算になります。旅館やリゾートホテルに宿泊することに比べると比較的安価であるとも言えるかもしれません。
キャンピングカーを購入すると400万円~700万円かかりますが、レンタルであれば旅館・リゾートホテル程度の費用感ということであれば、キャンピングカーを利用するということについてのハードルが下がるのではないでしょうか。

【グラフ⑮】1組当たりの平均利用金額(オプション等含む税込総額)

(出典:レンタルキャンピングカーネット「レンタルキャンピングカー白書2020」)

次に車種別シーズン別の利用料金について。
レンタル料金を24時間利用に条件を揃えてサンプル抽出した結果によると、2020年は2018年と比較して大幅に価格帯が上昇していることがわかります(グラフ⑯)。
新車やハイグレードな車両の導入も一因であるとも考えられますが、やはりキャンピングカーレンタルのニーズが高まっていることが大きな要因と考えられます。
特に、ゴールデンウィークや夏休みなどのピーク時には大きな需要過多・供給不足が生じていると考えられます。

【グラフ⑯】車種別レンタル料金の分布図(出典:レンタルキャンピングカーネット「レンタルキャンピングカー白書2020」)

 

②供給面 ~店舗数・車両台数~

 

レンタルキャンピングカーネット掲載登録店舗数の推移をみると、全国的に店舗数が増加していることがわかります(グラフ⑰)。
レンタルキャンピングカーネット未登録の店舗も数店あるため、実数値はさらに多いと推測されます。
レンタルキャンピングカーの認知とニーズの高まりを背景に、キャンピングカーレンタル事業を開始したり拡大し店舗を増やす事業者が増えているようです。

【グラフ⑰】年別地方別登録店舗数
(出典:レンタルキャンピングカーネット「レンタルキャンピングカー白書2020」)

登録事業者の合計台数は997台、市場全体では1,000台を超え、レンタル車両台数、及び1店舗当たりの保有台数が増加傾向にあります(グラフ⑱)。

【グラフ⑱】レンタル車両台数・1店舗平均保有台数
(出典:レンタルキャンピングカーネット「レンタルキャンピングカー白書2020」)

 

④「認知が足りない」という課題

キャンピングカーレンタルにおいても、キャンピングカー購入と同様に、需要が拡大し、供給面でも事業者が増加傾向にあります。
市場が拡大し、今後の成長も見込まれるサービスであると考えられます。

一方でいくつか課題も挙げられます。

まず挙げられるのが、「認知が足りない」ということです。
レンタルキャンピングカー白書2020では、

「キャンピングカーをレンタルできることを知らない消費者が多数存在すると考えられます。
レンタルキャンピングカーの認知向上、料金体系や貸出・返却方法の啓蒙など、消費者が身近にレンタルできる環境の整備が課題です。」

とあり、まだ十分な認知がされていない現状を指摘しています。

レンタルキャンピングカーネット登録掲載店舗332店舗のうちSNSアカウントが存在するか調べた結果、アカウント数が一番多いFacebookでも16.1%しかなく、大多数の店舗がSNSを利用したマーケティングを行っていないという現状でした(グラフ⑲)。

近年若い世代を中心に、検索がWeb検索からSNS検索へと移行してきています。
今後はSNSでフォロワーを獲得し情報発信や顧客の声を収集するなどのマーケティングが重要になってくると考えられます。

【グラフ⑲】キャンピングカーレンタル事業者のSNSアカウント数
(出典:レンタルキャンピングカーネット「レンタルキャンピングカー白書2020」)

一方で、メディア露出は増加傾向にあります。
テレビのバラエティ番組や旅番組でレンタルキャンピングカーを紹介される機会も増えています。
情報番組でも、コロナ禍における3密を避けたレジャーやリモートワークのツールとしてレンタルキャンピングカーが取り上げられます。

⑤「リピートが少ない」という課題

 

レンタルキャンピングカーを利用したことがあるユーザーへ質問したところ、そのうち7割が1回のみの利用にとどまるという結果でした(グラフ⑳)。

【グラフ⑳】レンタルキャンピングカーを利用したことのある回数は?
(出典:レンタルキャンピングカーネット「レンタルキャンピングカー白書2020」)

なぜリピートするユーザーが少ないのでしょうか?

1つに、利用満足度が十分でない可能性が考えられます。
・新車を揃えているか
・ペット同乗可能か
・ワンウェイ・レンタル(乗り捨て)対応可能か
等様々な顧客のニーズに対して、キャンピングカーレンタルサービスが応えられているかを今一度確認することが望まれます。

顧客のニーズに応えるためにも投資や人員体制に制限があるかもしれませんし、一部の顧客の要望に応えることが他の顧客が離れる要因にもなり得ます。
顧客のどのニーズに応えてどのような価値を提供するかを取捨選択し、どのようにして顧客から選ばれる存在となるかを検討し実行していく取り組みが重要と考えます。

リピートされない要因の2点目として考えられるのが、「購入に先だって試乗のためにレンタルする」ということです。
試乗目的でキャンピングカーレンタルを利用する方が多いことからリピートしないのかもしれません。
キャンピングカーをレンタルしてレジャーを楽しむということが根付いてリピートされることが今後期待されます。

⑥業界動向

レンタルキャンピングカー白書2020において、レンタルキャンピングカー業界の動向について以下の通り言及しています。

資本力のある法人が短期間で増車や多店舗展開するなど、事業規模を急速に拡大しています。
車両の調達と人員の確保、営業開始に向けてスピーディに動いているのが特徴的です。
近年レンタルキャンピングカー事業者の特徴は、「新車」「保有台数」「店舗数」「企業規模」「高級感」「急拡大」等。
レンタル事業撤退、廃業を余儀なくされる事業者もいくつか出てきました。
大手事業者による寡占化が進む中で、市場に淘汰の波が起こりつつあります。

ビルダー・販売店と連携し顧客ニーズに応えた車両在庫を用意する
レンタル事業者間で提携し、車両在庫の移動調整を行ったり、ワンウェイ・レンタルの提携をする
など、積極的な事業連携を展開する事業者も多くなると思われます。

他ではレンタルできない車両、オプションサービス・料金など、工夫をこらすことで強い固定客を獲得し、予約待ちになっても遠方からでも訪問したくなる、そんな魅力のある店舗づくりが今後の事業展開のポイントになるでしょう。

 

(5)アウトドア業界との連携

①キャンプ・アウトドア目的のキャンピングカー

 

購入・レンタルともに需要が高まるキャンピングカーは、アウトドアととても相性が良いです。
キャンピングカーを利用してアウトドアへ出かけるユーザーが増えれば、キャンピングカー業界もアウトドア業界もともに「win-win」になれるのではないでしょうか。

キャンピングカー白書2021によると、キャンピングカーを購入して旅行のスタイルにどのような変化があったかを聞いた結果、全般的に旅行のスタイルが自由になった傾向がみられます。
最も多い回答が、時間に束縛されなくなった78.0%で、次に多かったのが、目的地が自在に選べるようになった74.9%という意見でした(グラフ㉑)。

キャンピングカーがあれば、電車や飛行機の時間を気にすることもなく、ゆっくりと旅を楽しむことができます。疲れたら社内で休憩することもできます。また、立ち寄りたくなった場所へ行くといった予定変更も問題なく、目的地を自在に選ぶことができます。
このようなキャンピングカーの行動力が高く評価されている結果となりました。

【グラフ㉑】キャンピングカーを購入してから旅行のスタイルで変わった点
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

各オーナーにキャンピングカー購入の動機を聞いた結果では、旅行が91.0%で最も多い回答であり、キャンプは53.1%、アウトドアスポーツ23.4%と高い割合で回答があります(グラフ㉒)。

【グラフ㉒】キャンピングカー購入の動機
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

キャンピングカーレンタルユーザーに対しての利用目的の質問については、約50%が旅行・グルメ、約40%がアウトドアであり、前述キャンピングカー購入の動機と同様、アウトドアの目的が高いという結果でした(グラフ㉓)。

【グラフ㉓】レンタルキャンピングカーの利用目的は?
(出典:レンタルキャンピングカーネット「レンタルキャンピングカー白書2020」)

②キャンプ場との連携

キャンピングカー産業を活性化させるために何が必要と感じているか、について聞いた結果、上位1~3位は昨年と変わらず、RVパークの普及・拡大、キャンピングカー宿泊場所としての「道の駅」とのタイアップ、新聞・テレビなどの一般メディアへの浸透、でした。
一方4位に入った、キャンプ場とのイベント運営や交換を含めた連携の強化は、前年の12位から大きく順位を上げています(グラフ㉔)。

2020年はキャンプブームの広がりにより、キャンプからキャンピングカーへユーザーが流れてくることを期待して、キャンプ場とのイベントや情報交換などを行いたいと考えた企業が多かったと推測されます。

【グラフ㉔】キャンピングカー産業活性化のために何が必要か

(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

オートキャンプ白書2021によると、「キャンプをした月」をキャンピングカー派とテント派とで比較した結果、1月、2月、4月、12月といった冬季において大きな違いが発生しています(グラフ㉕)。
すなわち、キャンピングカーを利用したキャンプにおいては、テントを利用したキャンプに比べて寒さへの対応が向上することから、キャンピングカー派はテント派に比べて冬季の利用が多くなる傾向にあります。
冬季はキャンプ場の利用が少なくなるシーズンです。この期間の利用が増えることは、キャンプ場事業者にとってはありがたいことです。
キャンプ場事業者としては、キャンピングカー利用者を積極的に呼び込むことで冬季の稼働率を向上させることができるのではないでしょうか。

【グラフ㉕】キャンプをした月 キャンピングカー派とテント派の比較
(出典:一般社団法人オートキャンプ協会「オートキャンプキャンプ白書2021」)

その他にも、キャンピングカー派とテント派の行動特性には違いがあります。平均回数・平均泊数ともキャンピングカー派がテント派を上回っています(表㉖)。
キャンプ場事業者にとってキャンピングカー利用者は売上貢献度が高い存在
と言えるのではないでしょうか。

【表㉖】キャンピングカー派とテント派との比較
(出典:一般社団法人オートキャンプ協会「オートキャンプキャンプ白書2021」)

キャンピングカー利用者を積極的に呼び込むことで売上向上を狙えると考えます。

ユーザーにとっては、キャンプにおいて

・設営・撤収が疲れる
・寝不足で疲れる
・過密スケジュールで疲れる
・渋滞で疲れる

といった悩みがあると思われます。
キャンピングカーの利用により上記の悩みが解消される効果も期待されるでしょう。

③スキー場との連携

 

キャンピングカーオーナーがよく出かける月を調査した結果、1年の中で最も旅行に出かける月は5月、次いで10月、8月となっています(グラフ㉗)。
この順位は前回と同じですが、5月は17.5ポイント、10月は8.0ポイント、8月は9.8ポイント、前回から下げています。5月については特に2020年は1回目の緊急事態宣言発出による外出自粛が大きく影響していると考えられます。

一方で4月、6月、7月、9月は前回と比較して増加しており、シーズンの偏りが減少した結果となりました。
ゴールデンウィークから秋口まで平均的にキャンピングカーを利用する傾向が現れています。

【グラフ㉗】よく旅行に出かける月(複数回答あり)
(出典:一般社団法人日本RV協会「キャンピングカー白書2021」)

レンタルキャンピングカー利用者に対して利用した時期を質問したところ、8月が突出し夏と秋がハイシーズンという結果でした。

【グラフ㉘】レンタルしたシーズンはいつですか?
(出典:レンタルキャンピングカーネット「レンタルキャンピングカー白書2020」)

このように、キャンピングカーユーザーは、オーナーもレンタルユーザーも、どちらも利用時期が夏と秋に偏っている結果となっています。

私はキャンピングカーはスキー・スノーボードととても相性がよいと考えます。
冬季にキャンピングカーでスキー・スノーボードを楽しむユーザーが増えれば、キャンピングカー業界もスキー・スノーボード業界もどちらにとってもメリットが大きいのではないでしょうか。

キャンピングカーとスキー・スノーボードの相性の良さは以下の点が挙げられます。

1.朝一の良質な雪を楽しめる
…キャンピングカーなら前日入りしてグッスリ眠れ、朝一のベストコンディションで滑ることができる。スキー場によっては、朝早くから良い雪質での滑りを求めて大勢の人がリフトに並びます。車中泊なら朝から渋滞に巻き込まれずに、確実に朝一番のリフトに乗ることが可能。そしてファーストトラック(パウダーの誰も滑ってない状態の斜面を一番に滑ること)を狙える。

2.渋滞の回避
…土曜日の朝に出発となると、早朝でも高速や下道が混雑していることもありますが、金曜の夜は高速も下道もガラガラで渋滞とは無縁。前日の夜に到着すると駐車場も空いていてゲレンデ近くに停められる。

3.スキー場巡り
…宿に泊まるスキー旅行の場合は、どうしてもエリアが一つのところに限られます。しかし車中泊であればどこでも泊まることができるので、広い範囲でエリアを考えることができます。いろんなスキー場を巡る車中泊スキートリップも可能。

4.広々車内スペース
…スキー・スノーボードなどのウィンタースポーツは、スキー板やウェアなど荷物が多くなりがちですが、キャンピングカーは広々とした積載スペースがあり、スキー板やウェアなど大きな荷物を積んでも十分な車内スペースを確保できる。

5.着替えや休憩の空間
…すべての窓をカーテンなどで閉め切ることができる車であれば、プライベート空間を確保。混雑するスキー場の更衣室を使わずにウェアへの着替えや休憩も可能。

6.FFヒーター
…エンジンを切っても使える「FFヒーター」を装備している車であれば、車内に入ればすぐに暖をとることができ、夜も安心して付けたまま眠ることができる。

 

(6)まとめ

 

キャンピングカー販売市場は直近10年間で約3倍になり、市場規模は急激に拡大。累積保有台数も継続して増加。
従来のレジャー目的に加え、防災やビジネス等での利用も今後伸びていくと予想される。

レンタルキャンピングカーの認知とニーズの高まりを背景に、キャンピングカーレンタル事業を開始したり拡大し店舗を増やす事業者が増加、レンタルキャンピングカー市場が拡大している。

キャンピングカーとアウトドアは好相性、連携を深めてお互いwin-winを目指そう。
キャンピングカーは、キャンプ場の冬季稼働率向上に寄与し、快適なスキートリップを実現させる。

 

そとCFO公認会計士 村瀬功

そとCFO公認会計士 村瀬功

日本で唯一のアウトドアビジネスに特化した社外CFO

1980年富山県生まれ、広島県育ち。東京大学経済学部卒。公認会計士・認定事業再生士。経営革新等支援機関。
社内にCFOが居ない中小・ベンチャー企業に対して社外の立場からCFO機能を担う、日本で唯一のアウトドアビジネス専門の社外CFO。
「豊かな自然の中での非日常体験は人生を豊かにする」と価値を信じ、アウトドアビジネスの健全な発展に寄与することが自らの使命と感じている。

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